2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

スティーブ・ジョブズとデニス・リッチー

2011年10月、コンピュータ史に名を残す人物が相次いで、この世を去った。スティーブ・ジョブズとデニス・リッチー。 朝日新聞WEBRONZAで、二人の追悼記事を、コンピュータ史の中における足跡を記す形で書いた。有料ページなので、毎回恐縮であるが、リンクを…

(続)都立武蔵高校

ウィキペデイアを見たら、「武蔵高校」が「都立武蔵高校」に直っていました。 修正して頂いた方、ありがとうございます。

あとがき

「今回の大震災はあなたを変えましたか?」 社会が少しずつ日常を取り戻し始めた頃、テレビ番組でよく耳にした問いかけでした。私自身にとっては、おそらく、「はい」ということになると思います。 最近、「私たちは、自分自身で考えたり、判断したりするこ…

第10章 レベル7

ヨウ素からセシウムへ 4月に入ると、政府や東京電力、原子力安全・保安院などから、公式な情報が出始めてくる。原発事故対応も、中長期的な観点に移り始める。【3月31日】(震災21日目)•原発の全電源喪失、米は30年前に想定 安全規制に活用(朝日新…

理性の資質をアップし終えて

私はどちらかといえば筆が遅い方で、一つのメール(しかも短文)を書くのに30分もかかることがよくあります。ですから、4月からたった3ヶ月で書きあげた文章は推敲も十分ではなく、人にお見せできるものではなかったかもしれません。 ですが、大震災に直面し…

第8章 避難後の命

放射能汚染【3月19日】(震災9日目)•福島県発表(福島県のホームページ資料「緊急モニタリング検査結果について(福島県・原乳)」より)だと川俣町。これは文部科学省測定だと 5uSv/h くらい。で、牛乳中の値は規制値の3倍。ちなみに、ウィンズケール…

第9章 理性の自粛

「自信」と「自負」 震災10日目あたりから、色々な意見が出始めていた。それに対する牧野のコメントを並べてみたい。【3月23日】(震災13日目)・Y氏「放射能漏れに対する個人対策」を読む際に考慮すべき点とはを読む際に考慮すべき点とは: o「今、仮…

第7章 国策がエースをつぶす?

関東全体、一言4万平方キロメートル 牧野は、15日から16日にかけて、放射能汚染の関東地方へ影響を見積もっている。 文部科学省は、15日の大気中の放射線量が、栃木、群馬、埼玉、東京、千葉、神奈川、山梨、静岡の1都7県で、アメリカ、旧ソ連、中国…

第6章 判断しないよりまし

ヨウ素、セシウム、ストロンチウム、プルトニウム•11時の爆発のあとどこかが上がるかどうかが問題。•3号機の爆発では、おそらく1号機から既に漏れた以上の放射性物質が、数百メートル上空まで巻き上げられている。ウィンズケール並に放射性物質が広がるのは…

第5章 原発事故を解析する

原発事故を解析する 再び、牧野教授の公開用日誌に戻る。 3月14〜16日にかけて、牧野は自分の頭脳をフル回転させている。この時期において、科学的根拠を示しながら、これだけの情報を発信した科学者を、私は他に確認できていない。 ただし、ここの記述…

第4章 天災と人災

計画停電(輪番停電) 3月11日(金)に地震が発生し、未曾有の津波被害に原発事故と、経験したことのない事態に日本社会の指揮系統は混乱した。その際たるものが週明けの14日(月)に生じた。 再び、この時期の社会動向を、私自身の経験をもとに確認し…

第3章 牧野教授の公開用日誌

エースはどこに? 次々と報道が流れているのにもかかわらず、社会は確固たる知見が得られずにいらだっていた。逆に不確かな情報が氾濫するという事態に陥っていた。 例えば、テレビからは、放射能汚染に関して、専門家が決まり文句のように繰り返して発言し…

第2章 科学者の資質

顔の見えない科学者たち 東日本大震災は津波被害だけでも甚大であり、それだけでも歴史的な地震災害となった。そこに発生した原発事故。「安全神話」は崩壊し、世界中の関心が「フクシマ」に集まっていく。 研究室に設置されたテレビ画面から、福島第一原発…

第1章 硬直する社会

地震発生 2011年3月11日(金)14時46分、東北地方三陸沖を震源とするマグニチュード9.0という巨大地震が発生した。「東北地方太平洋沖地震」である。国内観測史上最大で、地球規模においても1900年以降、世界第4位という大きさであった。…

まえがき

顔の見えない科学者たち 東日本大震災は、観測史上最大規模の大地震による複合型震災として、歴史に刻まれることとなった。3つの大地震が連動する本震に、震度6を記録する余震。津波の脅威は映像として世界中に流れた。 多くの犠牲者を出しながらも、被災…

タイトルと目次

「理性の資質」− 東日本大震災1ケ月の記録と福島原発を解析し続けた科学者 −伊藤智義【執筆期間:2011年4−7月】 目次まえがき 第1章 硬直する社会 第2章 科学者の資質 第3章 牧野教授の公開用日誌 第4章 天災と人災 第5章 科学者の資質 第6章 判断し…

新著「理性の資質」

3月11日に東日本大震災が起きた。私自身、いろいろ考えるところがあった。それらのことを、4月から7月にかけて、一冊の本の形に書き記した。このブログを立ち上げたのは、その文章を公開したいと思ったからである。 ところが、幸い、ある出版社が興味を示し…

理学と工学

朝日新聞のWEBRONZAに「光速を超えたニュートリノ、決着をつけるのは誰か?」という論説を書き、本日アップされました。有料で恐縮ですが、リンクします。 http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2011093000002.html?iref=webronza その中で、時計職人…