2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

将棋電王戦の憂鬱(4)

2013年の第2回将棋電王戦から、毎年この時期に感想を書き続けて5年になりました。今回で最後になると思います。 先ほど、NHKスペシャル「人工知能 天使か悪魔か 2017」が放映されました。その中で佐藤天彦名人は次のように語りました。 「これで、自分が背負…

ツイッター検索の容易さ

沢さんが編集長を勇退したのをきっかけに、「永遠の一手」に関連する記事を毎日一つ、書いてきました。そろそろ他の業務に支障が出そうですので、ここでひとまず、筆を置きたいと思います。お読み頂いた皆様には御礼申し上げます。 最初に「永遠の一手」の書…

アルファ碁とディープ・ブルー

「機械が知性を持った」「歴史的な転換点」。 そう聞くと、アルファ碁のことだと思うかもしれません。しかし、そう報道されたのは、IBMのチェス専用スーパーコンピュータ「ディープ・ブルー」が世界チャンピオンを破ったときでした。1997年5月、今から20年も…

囲碁とコンピュータ

今日は将棋ではなく、囲碁の状況について、書いておこうと思います。 アルファ碁の登場で、囲碁界もコンピュータソフトがあっという間にプロ棋士を追い越していきました。「突然」という印象を持った方も多かったかもしれません。ですが、それはあまり正確で…

史上5人目の中学生プロ棋士

最近の将棋の話題は、なんといっても藤井聡太四段ですね。昨日も勝って、連勝を26に伸ばしました。すごいですね。 中学生でプロになった(プロの資格を得た)棋士は過去に4人(加藤一二三、谷川浩治、羽生善治、渡辺明)しかいなくて、皆、記録や記憶に残る…

目を持ったコンピュータ − AIの本質

「永遠の一手」の第1話に出てくる将棋ロボット『詰め郎君』には「目」があります。盤面だけでなく、追い詰められていく羽内名人を冷徹に観察していきます。それには理由があります。 人工知能AIと聞くと、どんなイメージを抱くでしょうか?人間に取って代わ…

プロ棋士と将棋ソフトは協力できるか?

将棋にしても囲碁にしても、プロ棋士の実力を超えたコンピュータソフトの登場には賛否がありますね。肯定的な意見としては「将棋(あるいは囲碁)の可能性が広がる」というものです。 私はこの意見に懐疑的です。 6月12日のブログで書きましたが、アマ五段の…

天才の涙

かつて、芹沢博文という破天荒で天才肌の棋士がいました。私が知っているのは晩年のテレビタレントというイメージのプロ棋士でした。 何かの番組で芹沢の話になりました。若い頃はめっぽう強くて、二日酔いでも将棋を指せば勝ってしまうというほどで、当然、…

「序盤からボコボコにされた」というキーワード

「永遠の一手」の連載が始まってすぐに、将棋の常識としておかしいという指摘がいくつかありました。その一つに第1話の一郎のセリフがあります。「名人には終盤でボコボコにされた。 だけど、彗星には… 序盤からボコボコにされたんだ…」 将棋で「序盤からボ…

永遠の一手 書評の御礼

なかなか時間が取れなくてブログの更新もなかなできませんが、今月は「永遠の一手」を中心に少しでも書き留めておこうと思っています。 今日は、ブログで書評を書いて頂いた方々をご紹介して、御礼とさせて頂きたいと思います。・「豚か狼か」様 連載開始か…

編集長 沢考史

昨年の今日、6月9日、「永遠の一手」の連載が始まりました。大学入学時の同級生だった沢さんとの念願の一作でした。沢さんは先日、編集長を勇退し、異動となりましたので、直接編集を担当してもらうのは最初で最後の作品になりました。ギリギリ間に合ったと…